はじめて彼を前に溢れた涙は、きっとその 奇跡 ゆえなのだろう。優しさという鎧を纏ってもそのおくの好奇心が蠢いている。そうして面会人はその罪悪感のために哀しそうに目を泳がせる。けれど言葉を重ねるたびに、彼のうちなる美しさに魅了されているじぶんをしる。
彼を"見世物"にするにんげんを否定はできない。 あなたは動物園へは行きますか。?? あるいは公園などでわたしたちには見えない誰かと大声でお話しているひとを見かけたりしたら。?? 関節などが生まれつき軟体な凄い技をできるひとなどは。?? グラビア女優は? アルビノのモデルは?ボディービルは??
驚異と恐怖の実に曖昧な境目。そんなにんげんの滑稽などうしようもない性(もちろんその慈心をもふくめて)を描いたリンチの妙。そう、もっと想像力を打ち鳴らしてさ。って彼に笑われた気がした。