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エレファント・マンのymのレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
4.2
偏見との向き合い方について考えさせられた。
この作品内では、①最初からジョンを受け入れる人々、②ジョンを「奇人」として蔑む人々、③最初は拒絶したものの徐々にジョンを受け入れる人々 の3種類が登場する。
①は舞台女優、②はバイツやその周りと部分的に外科医、③は病院の看護師さんたちが該当すると思う。

①と②に関しては善悪はっきりしていて、「良くも悪くもそういう人もいる世の中だよね」と思うが、観ている人の多くは③にあたるのではないかと思う。ジョン・メリックのような場合に限らず、人は自分と異なる見た目や性質を持った人物に出くわすと多少なりとも壁を作ってしまうものだと思う。それはある程度仕方ないことだと思う一方、大事なのはその内在化した偏見を自覚して許容する努力だと思う。この拒絶→受け入れのプロセスが看護師さんたちでよく表現されていた。
ジョンの苦悩や人間としての尊厳を取り戻して行く過程にはもちろん感動したが、周りの人々の変化により心動かされた。
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