宮沢賢治特有の文体を見事にアニメ化、洋画のような風景、常に陰がかかっている登場人物、台詞を省いて最小限の効果音と音楽で物語を奏でる演出が更なる寓話感を醸し出している。
終盤出現する謎の美女ダンサーによる妖艶なダンスが映画に不思議なエロスをもたらす、そしてそれが怪物へと変貌する不気味さ。
ラストの一文を映像ではなくテロップで表現しているところがかえって気味の悪い余韻を残す。
川本喜八郎、鈴木伸一(ラーメン大好き小池さんのモデル)、奥山玲子(『なつぞら』のモデルとなった人)などスタッフの豪華さに驚かされる。