ミシンそば

僕たちの舞台のミシンそばのレビュー・感想・評価

僕たちの舞台(1998年製作の映画)
3.5
「アダマン号に乗って」が記憶に新しい(自分の生活圏には来週来るので観る予定)、フランスのドキュメンタリー作家の二コラ・フィリベールの作品。

ドイツやスイスなどにも面しているアルザス地方ストラスブールの演劇学校で、15人の学生たちに、フィリベール自身が劇を作る課題を提示して、若い者同士で演技論をぶつけ合う一夜、と言うのが主題。
フィリベールが提示した課題は「ストラスブールと言う町」と言うかなりふわっとしたものなので当然手探り。
何もわからないから学生たちも熱が籠るし、声を荒げることもあるし、途中から明らかに深夜テンションになる者も数名現れる。
稽古の合間に挟まれる、結構ダークな笑いをもたらす小劇も面白い(最初の全力疾走する男の劇は結構クスっと来た)。

妙に突っかかってくる、ちびまる子ちゃんで言えば永沢君な帽子被ったレジスが結構ノイズだったり、本当にノンフィクション?狙ってたの?って展開も多々あるゆえ、彼の作品の中にあっては「フィクション要素が強い」とも言われるらしい本作だが、口当たりは軽いのでこれからフィリベールを追うって人にも観やすいと思います。