物凄く観やすいタイプの能天気コメディ。
ネオレアリズモとイタリア式コメディの間に位置するような立ち位置の作品で国際的な評価も高く、今日知ったが続編が二つも作られるほど人気の作品だったようだ。
都会からデ・シーカ扮する、独身の初老憲兵が山岳地帯のちっさい集落に所長として赴任してきて、そこでひと悶着もふた悶着も起こすと言うのが基本的な筋書きだが、日本でも未だにたまに作られる「田舎×駐在もの」(と自分は勝手に呼んでいる)的な事件はないがドタバタだけはあるって感じの血脈を感じられた。
それにしても、田舎と言う括り一つとっても、ヨーロッパは石造りの建物ばかりで日本の田舎と全然感じ違うね。
魅力的なヒロインを演じていたロロブリジーダ(昨年死去なさったが、この人の人生波乱万丈すぎた)とデ・シーカがくっつくと勘違いしてたが実際はそうではないのね。
さすがに無理があるってコメンチーニが途中で方向転換したのか、そのさせ方に関してもイタリア人らしさをすごく感じる仕上がりで、50年代の興隆しつつあるイタリア映画の波動をすごく感じられた。