えいむ

パンズ・ラビリンスのえいむのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
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日本での上映が終了のタイミングで映画館で鑑賞できることをFilmarksで知ってみてきました。

10年ぶりくらいに見たけれど、完成度が高い映画とはまさにこの映画のことじゃないかと思う。

鑑賞者にストーリー全体で想像の余地を残しつつも、映画内ですべてを補完しきっている映画はなかなか他に思い当たらない。

単純におとぎ話に没頭する少女の現実逃避の妄想と捉えるにはあまりに具体的過ぎる試練やキャラクターの造形。

パンはほんとうに存在しているのか?
迷宮の番人とは?
映画をとおしてパンを単純に女王の下僕などとは到底思えない。

厳しい現実のなか起こる小さな不幸から始まるおおきな不幸への連鎖。

現実逃避のファンタジーというには少し違和感のある試練の数々。

想像力が掻き立てられ、映画内の台詞やシーンから読み取り生まれるいくつもの考察。楽しくて仕方ない。

ダークファンタジーなのか、はたまたホラーなのか。少女にとってのしあわせとはなんなのか。

一切古臭く感じられない映像、演出に思わずいい映画みたーーーー!!と言いたくなる、そんな時間を過ごせました。

みたひとそれぞれの考察を聞いてどんどんわたしの知らないパンズ・ラビリンスを知りたいと思いました。
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