Yushiirai

パンズ・ラビリンスのYushiiraiのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.8
ペイル・マンという人間の子供を殺して、その肉を料理して食べる(生きたままでも食べる)クリーチャーが出てくるシーンがあるんですが、その造形が恐怖を色濃く体現していて素晴らしいと思います。日本の妖怪「手の目」をモデルにされたそうですが、両の手のひらの真ん中に目玉を埋め込んで、顔の前にパーの手をかざして少女を追いかけてくるんですね。とても怖いです。子供を食べるところを直接見せるのではなく、「ああ、こいつはやばいやつだ」と思わせる映画的な手法も、古典的ではありますがとても見事だと思います。ギジェルモ・デル・トロ監督は見聞きしたものをよく消化して、自分ならではの映像表現に仕上げる意味で、よくオタク的な創作者と言われますが、独創性とは様々なモチーフを個人が持ちうる興味のおもむくままに創り出されるものだと、彼の作品を見ていると信じたくなってきます。
ぜひ、ダグ・ジョーンズが演じたペイル・マンのシーンだけでも観てもらいたいです。
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