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パンズ・ラビリンスのtsuraのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.7
そういえば…少し前に見ていながらレビューあげてなかった作品(笑)💦

ギレルモデルトロ監督の独特の世界観がファンタジーと絡まり合う事で成し得た唯一無二の作品だと思う。
新作で彼はオスカーを手にするわけだが、あの作品はクリーチャーへの愛がもたらしたもので本作は彼の個性や趣向が全面に炸裂している印象。

ある種の毒々しさを苦手と思われる方にはあまりオススメ出来ないが笑。

ストーリーは幻想と悪夢のような現実が交錯する摩訶不思議。
日本のファンタジーと言えばお伽話的な装いだが、やはり海外のファンタジーはグロテスクが介在する。
まあ…それが旨味、なのだけど。


スペインの内戦下を舞台に現実とファンタジーがクロスオーバーするお話。

オフェリアは母親の再婚相手と共に軍営の基地へ引っ越すところから映画は始まる。

母は新しい命をお腹に宿しているが、かなり体調が優れない。

そんな中、現実と向き合えないオフェリアはある日、基地の奥にひっそりと構える迷路に誘われるかのように迷い込む。
そこには牧羊神パンが現世で命を失った王女の生まれ変わりを探していた。

パンはオフェリアこそ、その生まれ変わりだと言い放ち数々の試練を与える。

オフェリアは言われた通りに試練に立ち向かっていくが…現実世界で巻き起こる悲劇に翻弄されながら、遂に戦火の魔の手がオフェリアにも降りかかる…
ストーリー性の豊かさに独特のグロテスクさを持つクリーチャーの数々…まあ種々多彩な事で。

個人的にはペイルマンのくだりは背筋も凍る不気味さとスリリングを味わえること必至。

これだけでも観る価値有り有り。

好奇心に負けて、他人の食卓に並ぶ物は勝手に食べてはいけませんよね笑


ダークファンタジーという意味に於いて非常に高い見地から描かれたそれはそれは仄暗く、何処か廃れた、湿った中に映える"美しさ"

ぜひ、堪能してみて。
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