RIO

落葉のRIOのレビュー・感想・評価

落葉(1966年製作の映画)
4.5
オタール・イオセリアーニは感覚的に響く
我々は別の何処かに存在する場所を夢見ているという監督の感性
毎回ラストに一撃を食らっている

ニコは誰にでも優しい性格
大量生産するワインの工場での悶着
これはサペラヴィになってない未完成ワイン
プライドに掛けてもダメな49番の樽を開けたくない 諦めていく連続の中で頑固なニコは筋が通ってる

素晴らしい日常の表現に興味津々
パンもワインも地下に潜るジョージアの発酵群
都会の工場のおじさん達も良かったし気付くとその輪の中にいるニコが笑える
バーで頼んでいたキジビジって何なんだろう?

月曜日 土曜日と流れるジプシーのような女性の声が渋い

コーカサスの山々に響く教会の鐘の音
アプローチは違っても「トスカーナの贋作」でもあったなぁ
トスカーナは精神的目覚めの鐘の音

思い返せばジョージアのワイン畑の宴の向こうの馬の向こうの教会からグワ~と上がっていく感じです

失われるのは人間の心であってジョージアの魂は変わらないというパンチを貰った
1つずつ摘まれる葡萄が美味しそうでした
監督の胸の奥に焼きついている情景は美しい
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