B姐さん

イヴサンローランのB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

イヴサンローラン(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

服飾には興味がある。だが、メゾンだ、オートクチュールだ、クチュリエだ、と用語は知っていて意味もわかるが、それがアパレル業界の中でどういう風に重要なこと(意味)なのか、感覚的にさっぱりわからない。
ということで、切実にわかりたい、知りたいとも思っていないので、もしかしたらそれほど興味がないかもしれない。

イヴ・サンローランのこともよく知らない。名前は知っているが、ピエール・カルダンとの違いもよくわからない。
わかっているのは「ピエール・カルダンのベルトをしているおじさんは微妙」ということぐらいだ。
そんなわたしがこの映画を観た。

映画はサンローランの“パートナー”であったおじさん(ピエール・ベルジェ)を中心に、親交のあった数人の証言とサンローラン自身の記録映像のみで構成されている。人物の輪郭を際立たせる為に数多くの証言をとり、多角的、重層的に作るドキュメンタリーとは違う。
だから一方的なサンローラン像のみが提示され、「人となり」を伝えるドキュメンタリーとして観ると肩透かしをくらう。どちらかというと「ラブ・ストーリー」で、「ラブレター」で、「恋人への惜別」の物語だ。
彼の偉業が語られはするが、それがどれほど偉大なのかはわからない。なにが革新的であったのかもわからない。サンローランが服というものを通して、どう時代を変革したのかもわからない。

ただオスカー・ワイルドの「ターナーが描くまでロンドンには霧がなかった」という言葉の意味はわかる。
それがこの映画からは全く感じることはなかったが。

TV(7/31/2015)
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