画家の兄フィンセント・ファン・ゴッホと画商であるその弟テオドールの兄弟愛をアルトマンが撮った本作。
邦題は「ゴッホ兄弟」とかの方が親切な気もする。
狂気溢れる二人をティム・ロスとポール・リースが好演。
ティム・ロスのゴッホスタイルは何だかとっても愛らしい。お馴染みの青いジャケットにリュックを背負った猫背姿にキュンとした。しかもサスペンダーをしているではないか!
二人がシンクロするように自分に落書きするシーンが好きだな。
ゴーギャンとの同居解消シーンが綺麗に表現されていた。「包丁を振り回したのがキッカケ」っていう言葉しかしらないから、想像の中ではブンブン振り回していたのだけど、狂気溢れる仕上がりにすごいなぁと思った。
私にとってゴッホは、「星月夜」を実際に観るまではそんなに好きな画家ではなかったのだけど、写真では伝わらないあのウネウネから発せられるパワーを感じてから一気にすごく好きになったんですよね。
そのウネウネというかボコボコが感じられる、全編油絵での映画「Loving Vincent」も気になるところ。(制作遅れから去年公開されなかったけど…今年公開するのかな⁇)
人によってはハマらないかもしれないけど、個人的には割と好き。
アルトマン作品の画が好きっていうのもあるかな。絶妙な余白がとっても心地よい。(と言っても不穏な空気が流れているけど!)
冒頭の競りの声が響いているのも何とも彼らしい入り方だなぁと思った。
ゆったり流れるカメラワークにホッとする。専門じゃないから詳しいことはわからないけど、最近は凝ったカメラワークが多くてすごいなぁと思う反面、集中できないこともあるから余計にホッとした。
彼の生き様を覗きたい人にはいいかもです。「炎の人ゴッホ」も観てみたいな。
〝芸術は感情であって観念じゃない〟