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別れて生きるときものmiのレビュー・感想・評価

別れて生きるときも(1961年製作の映画)
3.5
第二次大戦前から終戦あたりまでの時代に生きた、ひとりの女性の生き様を描いた作品。
司葉子演じる「みち」は、その時代においては特別な存在とは言えない、ごく平凡な一般人ではあるが、時代に翻弄されて生きる様子がリアリティをもって描かれていた。
児玉清が若すぎてアタックチャンスの面影がどこにもなかったが、ビビるぐらい男前だった。

美術のセットがすごい。
戦前から戦中にかけての生活の変遷がよくわかるし、思っているより裕福な暮らしをしていたように思えるが、むしろ最近のドラマなんかが勝手に戦中は貧しく過酷だったという一種のプロパガンダ的要素を孕んでいるようにも感じられる。
戦争自体間違いなく悲惨なことに違いはないが。

作品としては、展開が早すぎてちょっとついていけなかったり、浅い話のままどんどん先に進むが、司葉子の演技と画力でもってクオリティは担保されていたように思う。
市井の人の息遣いや苦悩が丁寧に描かれている。
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