このレビューはネタバレを含みます
"しあわせを装っている家族" は、意外にも多く存在するのかもしれない。内に向けても自分の家族としての役割・良妻賢母、家族思いのお父さん、出来のいい子供などを演じ、話したくても話せない、見せたくても今更見せられない、意図的でなくても「隠している」自分がいるのかもしれない。
エリコは、演じているにも関わらず、それが意図的であった。そして、それが良い家族のカタチであると思っていた。「隠し事」など何もない家族を作り上げた（実際 浮気する父・虐められている娘などありふれた隠し事はあった）その陰にも、やはり「隠し事」はあった。
だが、それを知らない家族たちの大切さに気付き、きっと、やっとこれからホンモノの家族になるのだろう…という展開。
実際に、自分が愛されていたという「ほんとのこと」に気付かず、私より妹の方が可愛がられてた、などという憶測に基づく妬み・僻みなどの「思い込み」にとらわれている人は、結構いるんだろうと思う。
そういう人が観ると、一度家族と向き合ってみようかな、心を開いてみようかな、という気になる作品だと思う。
