音楽が過剰だと言及してる人が多いようだけど、確かにそれは気になったところだけど、この映画における音楽はゴダール映画のそれと同じく本質的なものではないんだろう。映されるシーンに関わらずただただロマンチシズムの記号としてのみ鳴らされているように思われた。
とにかくこの映画は繰り返すことに執着していたように思う。
繰り返される障子越しのラブアフェア。誘い、誘われ、引き寄せ、離れのその運動。
秋津温泉を訪れる河本。彼を見送る新子。
流れるような運動の連続性はクライマックスでの舞い散る桜の花びらや川の流れにも見て取れる。
