けーはち

世紀末救世主伝説 北斗の拳のけーはちのレビュー・感想・評価

3.3
『マッドマックス』っぽい世紀末ポスト・アポカリプス世界で、ブルース・リーっぽい主人公ケンシロウが一子相伝の拳法一本で戦う『北斗の拳』劇場版。要所は押さえながら思い切って原作改変したストーリーで、トキ、マミヤ、サウザー、ユダ等の名脇役は丸ごとカット、複数エピソードを並行して進めるため原作敵キャラが上位の敵に粛清されたり潰しあう圧縮展開。個人的には「世紀末の群雄割拠感」を出していて良いと思う。

作画についてはお茶の間配慮のTV版と比べ「アニメ界初のスプラッター・ムービー」と製作陣が自賛するほどゴア描写は描きこまれ、また登場人物たちの戦闘による建物破壊描写が怪獣並に派手になっている。派手な破壊もテーマ的に意味はあるが、「ラストバトルに巻き込まれ行方不明になったヒロインを探しに再び旅に出かける」オチは露骨に続編を企てたのかやや興醒め感。とはいえ『北斗の拳』らしいイカれた世界の暴力、アナーキーさや外連味はたっぷり味わえる。