あしからず

家庭の事情のあしからずのレビュー・感想・評価

家庭の事情(1962年製作の映画)
3.8
家庭の事情×恋愛事情×懐事情なコメディ。
サラリーマンの悲哀も描き、冒頭の通勤ラッシュに呑み込まれる抽象的な有象無象はラストに具体性と背景を持った個人として浮かび上がるも、また社会の波に揉まれていく。
お金にまつわる所とか叶順子がベンチで泣く場面のメロドラマチックな落ち葉と雨などサーク感。
あややはじめ4姉妹はキュートながら、相変わらず田宮二郎は胡散臭いし、川口浩はガキ大将だし、船越英二はてろてろしてるし、川崎敬三は掴みどころがないし、どストレートな二枚目がいないのがリアル。そこが大映。「大映じゃなく東宝!」の台詞は笑った。
撮影も安定してて鳥辺山墓地の俯瞰がよかったな。
吉村公三郎作品はハズレがない。
あしからず

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