家庭の事情の作品情報・感想・評価

「家庭の事情」に投稿された感想・評価

kunico

kunicoの感想・評価

3.0
それぞれの50万の使い道。
女が4人もいれば4通りの使い方があるわけで面白かった。
あんなに不誠実な川口浩を初めて見た。
大映オールスター映画でとにかく豪華で楽しい。四姉妹も月丘夢路さんもかわいいし、男性陣は人気者揃いな上に、ヒールの二郎さんや藤間紫(山村聰から金が出ないと分かったときの真顔が別人かと思った)、根上淳まで愛おしい。うーん、大映マジック。あと、昔の吉祥寺が見られるのもよかった。
欲を言えば、ラストは全員揃ってが良かったけど、そういうオチにはしたくなかったのかな。
「大映男優祭」@角川シネマ新宿
誕生日に定年を迎えた父親とそれを祝う四姉妹。その席で父は退職金と蓄えを等分にして娘たちに渡す。

とにかく色んなものが藤間紫色に塗り替えられた感あり。見たことないよな濃いアプローチで山村聰にグイグイ迫る。
金を取れないと分かれば真逆の冷たさ、というコントラストの強さ。あれに2回も乗せられる真面目中年のブルース。
藤巻潤のストレンジさも藤巻紫が出てくると打ち消されるから凄い。

田宮は、悪い役と見せかけ、別の人と結婚が決まるやホテルに入るのを拒んだり、叶さんから借りた50万返済するようなので案外誠実じゃんと思った。金を貸したからって結婚できると思い込んでいる方がそもそも…

あややのカフェ、法外な値段でコーヒー出しそう(憶測)
お墓参り、キャッチボール、結婚式の帰り道など好きなシーン。

東宝?と大映?と電話で聞き返すのギャグだったみたいで笑いが起きていた。
2014年3月27日、シネマヴェーラ渋谷で鑑賞。(19:20~の回) 

ラッシュの電車から始まるこの映画、妻に先立たれた父親(山村聰)と4人の未婚の娘たちを描いた大映らしい作品であり、とっても楽しい気分にさせられた。 

自分のお目当ての若尾文子は和服で登場するが、その後は洋服姿など、この映画がカラー作品で嬉しかった。 


父親の定年退職日=誕生日のお祝いで、父親と4人の娘が(当時としてはベラボウに高額の)50万円ずつ分け合って、父親は「お前たちの結婚資金、渡して肩の荷がおりた」。

この父親が結構モテる、というか金目当ての飲み屋の女も居る。 
父と娘のラブホテル玄関付近でのニアミスなんかもなかなか面白い。 
昔の吉祥寺駅などは風情あり、貴重な映像ではなかろうか。 

若尾文子は会社上司(根上淳)との不倫を経て退職し、結果的にはコーヒー店を出すのを手伝ってくれた船越英二と一緒になる。
そして……。

楽しい映画だった😊

<映倫No.12590>
藤間紫の“「俺も男だ」って言って~”って転がす手管をそっとメモ。何かもう、藤間紫的頂点の藤間紫。踏み倒しもせず、貞操観念もある田宮二郎が案外いいヤツでズコッときたけど、大団円へ向けてのスムーズな要素。山村聰の嘱託先のクラシックな会社の微妙な電話動線など細かいとこも笑う。あー、楽しかった。
豪華オールスターのピースがどんどんハマっていき、カップリングが明らかになっていく様が良かった

田宮を追い出して良いとこ見せるアート系船越、そして若尾とのカップリングか、とわかる流れテンション上がったな
藤巻のキャラもちょっと珍しい突き抜け方で良かった
三女の三条さん、四女の渋沢さん初めて見たけど、それぞれ可愛かった
藤間紫さん、初めて見たけど、ノリ、口調がすごい時代離れしてて面白かった

大衆性とキメてる部分のバランスが良かった
全体にいい塩梅で散りばめられているユーモア
セリフに関して時折、あまり演技っぽくない現実のようなノリで会話する瞬間があり、他であまり見かけない質感だった

ラスト、オープニングを反復しての電車シーン、悪くないけど、全員が登場するわけではないしちょっと半端だったかな
今回の池野成はジャズ大フィーチャーで本当に器用だな…
月丘夢路のませた子供がレコードかけてるところ良かった

青空娘、最高殊勲夫人と同じ源氏鶏太の原作ということで、どうやら良い作家なのだろう、他作品や著作も気になる
悲喜こもごも…

若尾文子と叶順子が姉妹ってだけで見ちゃう

いつも何かを抱えている船越英二は今回出番が少ないけど、悩みがなさそうでよかった

野添ひとみがいてもよさそうなのになんでいないんだろ(いてほしかった…
流行作家のユーモア小説を映像化した、他愛もないプログラムピクチャーかと思いきや、いやはや。源氏鶏太による、小市民の悲喜こもごもを描いた原作を、ほぼ同じ年齢の吉村公三郎は、ベテランならではの安定した土台の上に、都会的な演出とリズムを重ね、見事にクールでモダンな快作、昭和中期のシティポップと呼びたくなる作品に仕上げています。

7年前に母親を失くした、父親と4人の姉妹からなる一家。
定年退職を機に、その退職金と一家の貯金、合わせて250万円を一人50万円ずつ分け合って、今後はそれぞれ経済的に自立した、自由な暮らしをしてみようとの父親の提案に、父と娘たち、彼らを取り巻く様々な人々の事情が絡み合い…。

吉村公三郎の作品では、前年の『婚期』でも見せた、屋内の模様を真上からの俯瞰で捉えるショット。今作でも座敷でちゃぶ台を囲む父と4姉妹の団欒、4畳半の室内を幾何学的な構図に落とし込んでいますが、それは画としての面白さだけでなく、いわゆるホームドラマの世界の中に没入しない一歩引いた、言い方を変えれば「冷めた」=「クールな」視点を作中に置くことに成功しています。

クールと言えば、そうした吉村公三郎の演出に負けず劣らずクールな、池野成のモダンジャズからなるサウンドトラック。
要所要所に挟まれる、子気味良いパーカッションのリズムが舞台を盛り上げる。夕闇の迫る街に流れるのは、modarn jazz quartetかと思わせる、ビブラフォンが印象的に響く、アーバンなスローナンバー。木造駅舎の時代の吉祥寺に、マンハッタンの雰囲気を漂わせます。
obatasaki

obatasakiの感想・評価

4.5
この時代の喋り方がすき
被せ気味の即答、頭キレてる
それぞれが幸せに能動的に向かっていくのがよかった
会いたかったら電話する、待ち伏せする、
金が欲しかったら色を仕掛ける、
人生の新しいステージへの進め方も軽やか
みんな自由で迷いがないし勢いがある
暗さがないのがかっこよかった
文子様を筆頭にお美しい女優陣、男前な俳優陣、吉村公三郎作品気になる
3104

3104の感想・評価

4.3
2015年開催の「若尾文子映画祭」で観たものの中では、個人的には最も楽しめた作品。

妻亡きあと、男手ひとつで4人の娘を育てた父。55歳で定年退職するにあたり、退職金と貯金を合わせた250万円を自分と娘の計5人で50万円ずつ公平に分配することに。4人の娘の50万の使い道と恋の行方は?そして父の第二の人生の行方は・・?
監督・吉村公三郎×脚本・新藤兼人が贈る、暖かくもコミカル、そしてちょっとシニカルなホームコメディ。

50万円の使い道が父と4人の娘(長女:若尾文子。次女:叶順子。三女:三条江梨子。四女:渋沢詩子。美人揃いである)たちの性格の描写に効果的に役立てられている。彼と彼女たちを巡る恋愛模様にも50万円という大金(当時)が大きく影響を及ぼす。父と4人の娘、合計5人の物語が同時に進行する。だが決して混雑することなく、かつ特定の誰かの描写に偏り過ぎる(=誰かの描写がおろそかになり過ぎる)ことなく話が進んでいく様は見事というほかない。

大映も経営が傾く前、そして俳優陣が多く辞めていく前の辛うじて幸福な時代。キャストも豪華だ。前述の美人4姉妹と恋模様を繰り広げる男性陣に田宮二郎、藤巻潤、川口浩、川崎敬三、根上淳、そして船越英二。穏やかな貫禄を見せながらも煩悩に揺れまくる父・山村聰を巡る2人の女性に月丘夢路と藤間紫。
各人それぞれの持ち場で魅力を発揮する。誠意のない男が似合う田宮二郎。明るいストーカー藤巻潤。しかし男性陣では川崎敬三の「飄々とした様子の裏にある捉えどころのない本性、のようなもの」の醸し出し方がなんとも絶品だ。
対して女性陣は安定のあやや。明るく朗らかだがどこか厚かましい月丘夢路。控えめな様子とルックスが素敵な三条江梨子などが目を引くが、金目当てで山村に言い寄る藤間紫のパフォーマンスがやはり白眉。

ところどころにギャグ(♪俺がそんなにモテる訳ゃないよ~、や「東映?大映じゃなくて?」等々)が挟まれるが基本はソフィスケートに話が進む。だが人物描写のところどころに“毒”のようなものが垣間見える。一見ハッピーエンドに思えるコメディでもそういう部分が見え隠れするのは、これは監督や脚本によるものか、それとも大映映画という土壌によるものか。

とにかくスーッと観終えてしまうよりも、そういう「引っかかり」があるほうが心に残るというものだ。やはり映画は大映なのだ。
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