Aika

美女と野獣のAikaのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1946年製作の映画)
3.7
「ひらけ〜ゴマ!」

そんな言葉から始まる物語。
お伽話をワクワクしながら聞いていた子供の頃の、純粋なこころを思い出して。

壁からにょきっと生えた腕が燭台を持ち廊下を照らし、これまたテーブルから飛び出た腕がグラスにワインを注ぐ。
そして侵入者の様子を探る彫像の目がぎらり。
CGがない時代のイマジネーションの素晴らしさ、ちょっと不気味なファンタジーの味わい深さがたまらない。

野獣は「オズの魔法使い」のライオンみたい。
耳がピンと尖って終始優しい表情を浮かべベルに夢中…というか、もはやしもべ。
そして指から煙がもくもく、手袋はどこでもドア。
ベルはお色気ムンムンな小悪魔系。
このふたりの関係はさすがのおフランス感が。ラストもびっくり。

細部まで行き届いた監督の美意識の高さやこだわりを感じながら、凝った仕掛けを見て自分のイマジネーションも膨らませる。
CGの圧倒的映像力で与えられるだけの感動より、それはとても楽しかった。
Aika

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