ヒムロ

籠の中の乙女のヒムロのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.6
“海”は革張りのアームチェアのこと。
例文“立ってないで海に座ってゆっくり話しましょう。”
ギリシャの人里離れた豪邸にある一家が暮らしていた。
夫婦は子供3人に名前もつけず、外は恐ろしい世界であると教え、完全に社会と隔離して育てていた。


奇妙なカット割りに長回しの構図。
一見して映画らしくない不気味な絵の中に聞こえてくる会話もまた不気味すぎる一作。

親が常識を与えず完全に管理された非常識な世界で平然と子供たち(既に成人は超えているだろうが)が暮らす様は、まるでゲロが出そうで出ないあの不快感のよう。
90分間ずっっっっっと平坦な気持ち悪さを感じながら、それでも何か進展を求めて見てしまうストーリーというか設定の強さがある。

思いつきそうな設定ながらこの設定をこんなに気持ち悪く表現できることが素晴らしい。

ただ重ねて言うが普通の映画だと思ってみると話の緩急がないので飽きると思う。

性的&グロいシーンがあるのでその辺苦手な人は注意。
ヒムロ

ヒムロ