けんけん3号

光の旅人 K-PAXのけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

光の旅人 K-PAX(2001年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

凄い久しぶりの再鑑賞。やっぱり良い作品だった。自分はK-PAX星からやって来たという男、プロート。彼は宇宙人なのか、精神疾患の人間なのか、そこを焦点に物語は進むが、とにかく脚本が見事。宇宙の知識をしらしめた時は宇宙人側に傾くし、催眠術の時は人間に傾く。催眠術で明らかになる事件は悲劇で、そのせいで別人格が生まれたのかどうか…。その迷わせ方のバランスが上手い。そして人間の姿をしているにもかかわらず、プロートの語りだけで、彼がやっぱり宇宙人かもしれないと思わせるところが凄い。その上、プロート役のケビン・スペイシーの演技に説得力があるし、それを受け止めるジェフ・ブリッジスの演技も丁度いい塩梅。プロートが人間であることを証明することに没頭しつつも、彼を尊重してしっかり受け止めているところに好感が持てる。作品のテーマになるのだろう、プロートが宇宙を語る言葉の端々に、人間が見失ってるものを想像させる。しかもその語り口は至ってシンプルで的確である。だから病棟の患者達も希望を持つし、マークも息子と会う。結局、プロートの出現によって色々大事なことを思い出したわけで、そこをサラッと描いているのがいい。宇宙人?人間?明確な答えはないが、個人的には、プロートがロバートにチャネリングかなにかしていたんだろうと思った。ラストシーンも心が和むし、大好きな作品。