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ミッドナイト・イン・パリのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.6
映画界の異端児ウディ・アレン・
とうとう彼の世界に足を踏み入れてしまった。脚本家として、卓越した才能を持つことで知られる、ウディアレン。映画の常識を大きく覆し、今もなお、コンスタントに作品を作り続けているレジェンド映画監督・脚本家の一人。自分はまだまだ、初心者ウディアレンをどう楽しめばいいのかはこれからってとこ。

本作は94分。最近150分超えの作品を数多く観ていたせいか、エンディングを迎える準備ができていないまま終わってしまった。別の言い方をすれば、ウディアレンの世界を純粋に楽しんでいたっがために、時が経つのを忘れてしまっていた。フランスのパリという舞台で、なんの前触れもなくタイムトラベルが始まり、リズミカルにストーリーが進んでいく。物語の中心は、主人公ギル。ギルの主観というか、ギルのストーリーといってもいいようなぐらい彼の感情を追っていくスタイルで描かれる。

私が素直に楽しめたのは、有名すぎるヨーロッパの芸術家たちがキャラクター満載でたくさん出てきたところにある。まず、アイデアでウディアレンの1勝。バケーションで訪れたパリで脚本家の主人公がタイムトラベルをして芸術家たちに感化させられる。タイムトラベルをここまで、しれっとやってのけるアイデアがすごい。ここまで使い古させたアイデアであっても、いまだにタイムトラベルした主人公は驚いて、タイムトラベルで遊んだり、悪いことに使うのがセオリー。夜になったら過去に戻るという、まるでディズニーの世界のような設定を夫婦と仕事へと抵抗させたところにこの作品の礎がある。
その後も知る人ぞ知る、芸術史のジョークがたくさん落ちているのだが、正直半分ぐらいは見落としているだろう。

ウディアレンは会話を描く天才だと言われている。私の最も弱いところ。今作でも会話でシーンが動いていくのは間違いない。ただ、一つのワードで物語が動くというよりも、ストーリーを通してキャラクターが変化していく様子が、会話を通して伝わってくる。言葉数の多さや、言い回しなど決して、コーエン兄弟の各セリフのように難しくはない。まぁ、まだこれから。
監督として、ブロッキングにも特徴がある。カメラには映らない部分を使った表現は素敵。カメラの後ろや、壁の後ろなど、カメラの存在を感じさせないようなブロッキングは、ウディアレンの美しい世界を視聴者の想像力を使ってさらに広げる。

視聴者を使って映画を作り上げていく監督なのだろうか?それとも、視聴者を引き込んでいくようなインパクトのある監督なのだろうか?