Holly

ミッドナイト・イン・パリのHollyのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.4
ほんとうにおもしろい。笑えるところもたくさんあって、きっと「古典主義」とまではいかないけど古い物が割と好きな私もタイムスリップできてしまうというのは興奮した。笑

2010年の作家、ギルはシェイクスピアが活躍した1920年代を黄金期と言い、1920年代のクチュール作家はベルエポック、1890年代を黄金期と呼ぶ。さらには1890年代のゴーギャンはルネサンスに戻りたいと言い——

「現在って不満なものなんだ それが人生だから」

私が50年代、60年代や70年代が大好きな理由がこれなのかとおもった。現在って不満だから。だからやめられない!古い時代に憧れること。

主人公は表面的には共感し合える女性と結婚する予定だったし、それなりに旅も芸術も楽しむけど… 彼女はやっぱり現代に不満をもたないからこそ、賢く生きれる人。
それでいい。そうあるべきなのに、やっぱりそれでは満足しきれない。

だから生きる場所をかえて、主人公みたいに思い切って、「雨のパリこそ素敵」と思える女性と出会えちゃったラストシーンには高揚感が抑えられなかったしなぜか涙も出ちゃった。

意外にも素敵なハッピーエンドだから、「自分のなかの大切なことを共感し合える人」との出会いに憧れる私たちに夢を見せてくれる作品。うっとりする映画。
Holly

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