バナンザ

ミッドナイト・イン・パリのバナンザのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

画面やシーンの見せ方だけでなく物語の設定も理想的な美しさを表現していた。しかしそれは、対象のもつ美しさだけでなく、言葉や印象や心情が作り出す美しさであった。
全体的に夜中のパリ黄金時代にスポットが当たってたが、テーマはギルと3人の女性の恋物語としていると思う。
【愛とは何か】を考えさせられ、
学芸員のHe loved both but in a different way.(愛と言っても種類が違った)
これに対してギルは
That’s very French. You guys are way much more involved that department. ( とってもフランス的で、フランス人はアメリカ人よりずっと深く恋愛に関わっている)
という会話は印象的だった。
価値観の合致が映画の中での答えだったような気がする。
主人公ギルは、俗に云う成功した脚本家であったが、設計する美よりも創造する美を求めていたように感じる。
芸術を嗜み、経験からアイデアを吸収しようとするギルと知識でモノを見ようとしているポールは対比的であった。芸術に対する情報をもっていたポールは現実で美術・酒・ダンスを教養があると言われても、過去に行ったとき、文豪たちの偉大さを享受し、驚嘆することはできなかったと想う。ロダンの考える人を見たときのように。それに比べて、ギルは現実では他人の意見に耳を傾けてないと言われながらも過去では偉人からの助言を積極的に求めて、アドリアナも素朴で飾り気のないところを魅力的に感じていた。
知識の反対語は経験で、映画では芸術とは経験的であるべきだと語っているようだった。

華やかなパーティー会場からアドリアナを連れ出し、繰り出した夜のパリは、綺麗な石畳にランプに照らされるオレンジの霧が掛かり印象深いものにしていた。
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