りょうすけ

アダプテーションのりょうすけのレビュー・感想・評価

アダプテーション(2002年製作の映画)
3.5
「アダプテーション」

本作は「マルコヴィッチの穴」のスパイク・ジョーンズが同作の脚本家であるチャーリー・カウフマンを主人公にしたフィクションである。

C・カウフマンは「マルコヴィッチの穴」だけでなく「エターナル・サンシャイン」などの脚本も手掛けており、奇抜な世界観の作品で知られている。

カウフマン役はニコラス・ケイジが演じており、双子の弟として登場するドナルドは架空の人物であり、「マルコヴィッチの穴」と同様に実在の人物を使った完全なるフィクションとなっている。

エンタメ作品にしては少し難解な本作は対人が苦手な脚本家であるカウフマンが自己と向き合うと言う映画であり、双子の弟ドナルドは彼のもう一つの側面なのでは無いかと考えるとその存在にも納得がいく。

所々、脚本家としての自分を戒めるようなシーンが存在する。ブライアン・コックス演じる大御所脚本家が説教を垂れるシーンなどはまさにそうだろう。

これが脚本家である自身へのオナニー映画なのであるとするなら、自分で監督しろよとも思わなくも無いが、この時の彼にとっての仕事はあくまでも脚本家だったのだろう。この数年後、監督デビューもしたわけだが…

珍作であることに間違いはないが、キャストも豪華なので、思いの外楽しめる作品だと思う。「マルコヴィッチの穴」からの流れで鑑賞することをお勧めしたい。
りょうすけ

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