成瀬巳喜男監督作品『妻よ薔薇のやうに』のリメイク版。
何と言っても、DVDジャケットの酒井和歌子の可愛さに惹かれて購入鑑賞😍笑

内容は概ね成瀬版と同じだが、ところどころ微妙に変更あり。成瀬版は戦前の雰囲気だったが、本作は「昭和の風景」が懐かしい。緑色一色の山手線、新宿西口にあったらせん状のような地下に入っていく車道など。

通勤風景から始まり、君子（酒井和歌子）がラッシュ風景の中に映される。会社などでは君子ファンが多い。しかし、君子は誰かに好意を持つということは無く、自分と母親（草笛光子）を東京に残して家を出てしまった父親（土屋嘉男）への思いが強い。
父親は東京に妻＆娘を残して家を出て、福島で愛人と子供２人と生活をしていた。……これも成瀬版とほぼ同じだが、成瀬版では福島ではなく長野だった。
君子は「父親を連れ戻しに行く」と福島へ行くが、そこで見たのは父親と愛人・子供達との幸せそうな家庭だった。それでも、一度は父親を東京へ連れ戻す君子だったが……。

本作は1969年作品で酒井和歌子が可愛いが、会社の席の隣にはショートカットのひし美ゆり子が座っている。酒井和歌子が誘われた男達と観に行くはずだった映画のチケットをひし美ゆり子に譲るのだが、「はい、これチケット。ロードショーだから700円」と酒井和歌子が言う。具体的な金額の話題をするあたりは、成瀬巳喜男監督作みたいだ…😄笑

このDVDには（本編での未使用素材を含む）「予告編」と「フォトギャラリー」が特典として付いているが、フォトギャラリーで酒井和歌子を中心に出演者たちが映っている写真では酒井和歌子が本作の脚本を持っているが、なんとタイトルが『恋人は誰？』と表記。
こちらの方が『恋にめざめる頃』よりもマッチしていると思うが、それでもやはり成瀬版の冒頭に大きな文字で書かれた「二人妻」がドラマ内容に一番マッチしていると思う🙂

昭和の風景の中で躍動する酒井和歌子を観られる紆余曲折のドラマ🎥✨

＜映倫Ｎｏ．１５７１１＞

日本映画専門チャンネル
2014.02

不滅の名作成瀬巳喜男「妻よ薔薇のやうに」を1969年現代に移して忠実にリメイクされた浅野正雄監督の青春映画の秀作。山本君子酒井和歌子は、社内でモテモテの美人OL👩‍💼だが男👨には淡白。それもその筈、デザイナー母草笛光子と別居中のタングステン採掘を夢みる父土屋嘉男を、新宿西口の君子の親友高橋紀子夫妻経営スナック二階窓🪟から見掛けると、一目散に追い掛けるファザコン娘。福島山中の温泉地♨️父妾美容室を訪ね、雪深い崖を父と抱き合い転がり落ちる無我夢中の君子は、父を東京に連れ帰ると、母との復縁を熱望するが、父は去った。街の教会⛪️で見知らぬ花嫁高橋厚子から薔薇🌹一本を投げられ、笑顔で返すとまた颯爽と歩く君子。