えそじま

アデルの恋の物語のえそじまのレビュー・感想・評価

アデルの恋の物語(1975年製作の映画)
4.0
ヒッチコックの『めまい(1958年)』、延いてはアケルマン『囚われの女(2000年)』の男女反転版と言ってもいいんじゃないか。恋に恋する情熱に溺れ、狂い、転落していくアデル・ユゴーのすべて真実に基づくという物語が海に始まり海に終わる。対象の男に実体的な価値はない。

どう見ても狂気の沙汰なのに、イザベル・アジャーニのとんがった小さな鼻先、疑いのない強烈なまなざし、少しひん剥いた上唇のみずみずしい美貌がこの転落を不思議と気高く映し出す。
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