けーはち

ブルーベルベットのけーはちのレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
3.4
リンチらしいシュールさは目立つも話は明解。家族を人質にとられマフィアの慰み者にされている歌姫を純朴な大学生が助けんとするサスペンス。しかしマフィアは幼児プレイを強要するド変態S男、歌姫の方もM女で、割れ鍋に綴じ蓋だったりする。長閑な田舎町に思いもよらぬ人間の歪な異常性を描き出す──とは言っても多分変態的なキャラクターを集めて変態的な画面を作るために物語を誂えただけやんね、という感。何にせよ50年代の優雅でゆったりしたムード音楽に彩られ、古き良きアメリカの世界観で展開される異様なアブノーマル官能美が光る。