はなればなれのマチルダ

サイコのはなればなれのマチルダのレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
3.6
階段とは映画作品において非常に重要な役回りを担っている訳で、本作もまた例外無く。いや、なんならこれが草分けとなるのでしょうか。
上階はサイコな領域であり、そこに庶民が足を踏み入れようとしたした瞬間、事件は起こるのです。そう、階段は相反する2つの世界線を遮断する境界線。
ラストの母親の喋りのシークエンスの背景は、ノーマンだけを抜き取ったかの如く背景に全く表情がありませんでした。それは、鳥の剥製のように生きているようで死んでいる、ノーマンの所在の無い魂が浮遊している様子を表しているように感じます。