さぃもんす

サイコのさぃもんすのレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
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サイコ

見終わった時にこの映画の主人公は誰なのかと疑問に思った。映画のパッケージを見たら誰もがマリオンが主人公だと思うだろう。
第1幕の命の10分間で、「誰のなんの話か分かるようにする」、「主人公を中心に追う」とシナリオの授業で習った。この映画は最初の10分で、マリオンが恋人のサムと一緒になるためにお金を盗んだというのがわかる。ここまで見ると誰もがマリオンが主役だと思い込むだろう。だが彼女は第二幕の前半で死んでしまう。

冒頭のクレジットでは、アンソニー・パーキンスがトップに出てくる。彼の名前の横には「starring(最も重要な役者)」と書いてある。次にジャネット・リーの名前の横にはマリオンときちんと役名が書いてある。
サスペンス映画などは、事件を解決していく刑事が主人公で、どうして事件を起こしてしまったのかというストーリーを作っていく犯人が最も重要な役だと私は思う。
私はこの作品の知識はまるでなく、見るのも初めてだった。途中まで、主人公のマリオンが横領し色んな形で様々な人に出会うロードムービーのようなものかと思いながら見ていた。だが主人公だと思いながら見ていたマリオンが死んでしまって大いに驚いた。主人公が途中で死んでしまう映画は珍しい。

この映画を見ると主人公を作る側で決めるのではなく、見る人に決めてもらうというやり方も有りというのがわかった。
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