81年版という圧倒的な娯楽時代劇の傑作があってのこのリメイク。20余年のあまりに日本映画の力量が大きく減退してしまったのをむざむざ確認させられる残念な作品。
丁寧な話運びは悪くないけども、どうにも大人し過ぎる。
名だたる剣豪が蘇り十兵衛に襲い掛かってくる展開に全然ワクワクすることが出来ない。81年版には千葉真一、若山富三郎らの殺陣の名手がいたがこちらにはきっちり殺陣をこなせる役者が不在。佐藤浩市自ら殺陣が酷いと述懐している位であり迫力にかける。
正統な殺陣は出来ずともワイヤーワークなどをもっと多用して思い切りマンガなアクションにするなどやりようはあった様に思うのだが。
魔界衆の扱いもやや軽い。キャラもの作品ではあるのでそこが淡白だと…。江戸城でのクライマックスも流石に81年版と同じことは無理だろうけどCGを使うならもうちょっとどうにかならなかったのか。当時でもって娯楽時代劇をきちんとやろうとしている姿勢は感じるのだけれども。