トゥーン

レディ・イン・ザ・ウォーターのトゥーンのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ゴールデンラズベリー賞にノミネートされ、最低監督賞と助演男優賞というどちらもシャマラン自身が受賞した本作。でも、とてもいい作品。
シャマラン監督の作品の良し悪しはおそらく、シャマランが出演しているかしていないかで決まる。本作では思い切り出過ぎであり、自分のことを後世に影響を与える器という約どころだ。これでは、自信過剰で嫌われ者のハリーのように不運な目に遭いそうな気がして仕方ないのだが……。こういうシャマランが好き。
物語は自分の役割を見つけ出していく、人生の再生や意味をテーマにした作品。それは表向きで、実際は映画制作を題材にしたファンタジーだ。映画評論家のハリーは殺され、素晴らしい器の監督シャマランは後世に影響を与える逸材として描かれる。面白かったのが、ストーリーのおかげで監督の思想がより強固になっていくといったセリフだ。確かに、ストーリーを考えていく中で、自分の思想についてもう一度吟味し直し、新たな考えにたどり着くこともある。それが脚本を書く醍醐味でもあるだろう。
ブラックコメディも健在。最初のカットで、クリーブランドが虫退治を頼まれるのだが、その依頼者が化け物なのとか言っているが、それはあんただとツッコみたい。どんだけデブなんだよ。これは狙っているのか分からないが、シャマラン悪い人だと思いながら見ていた。
ザ・おとぎ話なファンタジーだが、シャマラニストにはたまらない作品に、またもやなっていた。
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