このレビューはネタバレを含みます
話としては文化人類学っぽい部族的な話よね。ビジュアルを除けば異星人とかエイリアンっぽさはなく、営みがある分、ナビたちの生活はプリミティブ人間の姿として映る。なので少数部族との交流的な話としてオーソドックスなストーリーだとは思う。ただ地球の原始的な生活が土っぽく絵が地味になりそうなところを、SF的で幻想的な映像や体験を組み合わせてるので、絵としても楽しいっていう感じなんだなと思った。資源を巡る戦争っていう暴力に納得感があってよかった。
悪役の大佐めっちゃ好きだな。
ヘリを奪って逃げようとするジェイクたちを足止めするためには、「20秒で昏倒、4分で死ぬ有毒ガス」が蔓延する外に出なければならない、だけど、今まさにヘリが飛ぼうとしていて、ガスマスクをする暇もないってときに、ノータイムで息を止めて外へ飛び出し射撃をするっていう本物の脳筋ソルジャーだった。一応、部下への警告も忘れてないし。
ヘリに取り付いたジェイクを撃ち落とすときとか、パワードスーツの操縦席に穴空いたときとかも同じようにしてた。即断即決ができる強強だなぁ。
旗艦空母?ドラゴンが撃墜される寸前に大佐がパワードスーツに乗って脱出するしようときちょうどよく降下用ハッチが開いたおかげで難を逃れてたんだけど、あれ操縦士の最後の仕事だったと思う。名もなき超ファインプレーだよなぁ。燃えるドラゴンを大佐は一度だけ振り返るんだけど、きっと武彼の思いがあったと思うんだよねぇ。
比較的動きの緩慢で細かい動作ができなさそうなパワードスーツにおけるナイフって副装備ですらないと思うんだよねぇ。お守りくらいかな。だけど、そんなんで野生の虎みたいな六足獣を仕留めてたから、大佐は本物のレジェンドソルジャーだよなぁ。
地球に帰らされる人間たちの中に、足を失った傷痍兵が居たりして、あんまりアップにはならないし、まぁ多分できないんだろうけど、ここら辺をちゃんと描いてるのはキャメロン流石だなって気がする。
ところてん、トルーク(でっかい飛竜)を手懐けることで、部族たちからの畏敬を集めるのって納得感のあるシーンなんだけど、これってナードが学校にランボルギーニで乗り付けてくるみたいな感覚なんかなって不意に思ってしまって、ほんとよくないって反省した。