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暗殺の森のあのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.1
この主人公、自分から憲兵に顔を近づけていったところをみるに、いわゆるゲイの性質があったのではないかと思いました。ファシスト党政権下のイタリアで、そのようなマイノリティへの抑圧は激しかっただろうし、自分の特異性を気にしてやたらと結婚や女にこだわっていたのも当然だと思います。「普通」になるにはファシストとしての任務を果たさねばならない、けれどもファシストの称号は本意ではなく、しかも任務は自身をよく理解してくれていた恩師の殺害ということで、どこまでも運命の罠から逃れられない主人公の孤独がひしひしと伝わってきました。そう考えると、ラストカットの柵に寄りかかっていた主人公は、檻の中に閉じ込められていたようにも見えてきます。
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