きりん

暗殺の森のきりんのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.0
幼い頃自分を犯そうとした同性愛者を射殺してしまったマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)。罪の意識が消えない中、熱狂的ファシストとなったマルチェロは反ファシズム運動の支柱であるクアドリ教授(エンツォ・タラシオ)の調査を命じられることに…。


ファシズムの発生と崩壊

ムッソリーニのファシズムというのがなんなのか私の知識不足もあり難しい部分もあったけど、なかなかに重厚で見応えのある作品だった。ベルトルッチ監督代表作と言われるのもなんとなく頷ける。

昔犯した罪を覆い隠すようにファシストへと熱狂していく主人公マルチェロ。正常であることを求めるように普通の女性と結婚するも、その後の任務によって愛に翻弄されることになろうとは。

皆さんおっしゃるように光と影を使った映像美やカメラワークが素晴らしかった✨
また序盤に繋がる構成や妖艶なダンスシーンは美しく、タイトルにもある暗殺の森は凄まじいものがあった。

でも主人公の哀しきその顛末はなんとも言い難い混乱と皮肉。
人生とはいったい……
きりん

きりん