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暗殺の森のiyuki08のレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.0
時代性、という言葉で片付けてしまってよいものか、「わかりやすさ」の魔力にどっぷり浸かってしまった現代っ子ワタクシめにとって、こういう映画は中身を追うのに必死になってしまうのだが。。。
光と色彩の使い方がもう素晴らしいのなんのって。ただそれだけでずっと見て入られそうな美しさ。衝撃的だった。んで、たぶんこの凄さは学生時代に見てもよくわかんなかっただろう。自分がカメラを握ってある程度経験を積んだので、この映画の陰影の素晴らしさ、配色の巧みさというものがひしひしと伝わってきたのだ。しかし、かといって神経質すぎないズームイン・アウトにおける子犬のような奔放さよ。ヴィットリオ・ストラーロ、齢30の撮影作品とは到底思えない。天才とはかくも凄まじいものなのか。まさに、芸術。それだけで「リッチなものを見ている」という気にさせる。
いまの映画に、ここまでリッチさを出せるものが、いくつあるだろうかと、憂鬱になった。

ダンスシーンの象徴性ったら、ねえよな。圧巻。
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