FukiIkeda

暗殺の森のFukiIkedaのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.4
構図、カメラワーク、何もかもが美しい…
そして…なんだ、このストーリーに託されたメッセージは…!凄いな…。
普通とは、正常とは?
普通とは言い難い両親をもち、幼心に受けたトラウマに苛まれ、みんなと同じであることを重要とし、その時に皆が思う正当、正義に囚われ、ファシズムに傾倒している主人公。
森でのシーンでは、あんなに夢中になって追いかけたのに、自分を護ることを選び、護衛のものにでさえ、卑怯者だ、殺してやりたいと怒りを露わにされる程、手のひらを返すような反応。
ラストシーンでは自分のトラウマの元になった出来事が違っていた事に気付き、あたかも自分自身の選択ではなく自分を作り出していたもののせいかのような振る舞いをする。
凄く卑怯な振舞いのようでいて、実は、流されやすい民衆、マジョリティにありがちな何かのような気がして、いかに人間が正義を見誤りやすいのかを突きつけているような気がした。

ファッションが異常に可愛い…
FukiIkeda

FukiIkeda