JTKの映画メモ

暗殺の森のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
5.0
どちらかというと映画で語られることよりも、映画での語り方の方に興味があるというか、そういう見方しかしてないというか。
過去に観たと「思い込んでいた」が、観てみたら実は観てなかったというこの映画。
主人公マルチェロが子供の頃犯されそうになり射殺したと「思い込んでいた」ホモの牧師と再会し、過去も独裁への傾倒も幻想にすぎなかったのか!と錯乱する。そういった内面の事よりも、ヴィットリオ・ストラーロによる完璧なまでの映像美、建築物の造形の美しさ、ドミニク・サンダのこの世のものとは思えない美しさ、オープニングの語り口のカッコ良さ、などに目を奪われた。
ファシズムを背景に退廃と官能を描いた傑作「愛の嵐」とともに忘れられない映画になりそうだ。