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カンバセーション…盗聴…のPeggyMYGのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
3.7
派手さはないけれど、ずっと見入ってしまうような上質のサスペンス。

なによりジーン・ハックマン演じる盗聴のエキスパート、“ハリー・コール“のキャラクターが独特で気になる。

請け負った通信傍受の注文を完遂するのみで深入りはしない。仕事柄、自分自身のことも病的なまでにひた隠し、人との関わりを断って孤独に暮らす。

本作のジーン・ハックマンのはいつもの“理屈より腕力“のタフガイイメージから一転、部屋でジャズをかけながらサックスを演奏するのが唯一安らぎの時間という男を、陰鬱な表情で演じている。
それだけでも、こちらまで何が起こるのか不安になってずっと見続けてしまう。

出演者の知識もなく見始めたけれど、ジョン・カザールやロバート・デュヴァル、先日亡くなったフレデリック・フォレスト、そしてハン・ソロ前の若きハリソン・フォード…思いもよらない豪華キャスト。

大きなどんでん返しがあるわけでもないし、前作『ゴッドファーザー』に比べたら地味だし、興行的に今ひとつだったのもわかるけど、こういう作品をじっくり(じっとり)観たい時もある。

ラストショットの余韻は秀逸でした。
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