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流れるのakubiのレビュー・感想・評価

流れる(1956年製作の映画)
4.0
倦怠と歓びを同じくらい秘めた瞳は、ときおり悔しくて涙を溢す。ままならないながらも生きてゆく誇り高き女たち。たくましい、なんてゆわないで。ほんとうはすぐにでもだれかの肩に頬をよせたい。孤独を打ち消すように陽気に踊った夜、朝なんて明けなくてもいいと思いながら布団にはいる。

コロッケとコッペパン。ぽんこ という名の猫。遠雷と雨の音。塀越しにもらうおそば。働く軽快なミシンの音。力強く響く三味線と歌声。
美しく健気な彼女たちの人生。
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