スポック

流れるのスポックのレビュー・感想・評価

流れる(1956年製作の映画)
5.0
贅沢過ぎる素晴らしい顔ぶれのキャスティング!
それぞれの役者さんが競う合うように肩の力が抜けた自然な振る舞いを魅せる。

女だけで置屋商売も廃れ気味な時代に、玄人の母親と素人の愛娘との生きていくことに悩みながらも協力しながら日々を精一杯暮らしていかなければならない時の流れが悲しい。
まったく生きてきた社会も過去の環境も異なる一般人の女中の常識のある立ち振る舞いは、どの社会で生きていくにしても人柄と人間性がきっちりしている生き様から信頼が厚くなっていく。

人情だけでは生きていけない厳しい花柳界の裏の実情がさらっと描かれていて、女が生きていくことの困難さが伝わってくる。