Jimmy

流れるのJimmyのレビュー・感想・評価

流れる(1956年製作の映画)
4.5
成瀬巳喜男監督作品、高峰秀子の出演作品なので観たのだが、実は田中絹代と山田五十鈴がメインの映画。

「水上バス」のオープニング(エンディングも)で始まる映画。
東京下町の芸者置屋が舞台だが、そこのおカミ(山田五十鈴)と娘たち(その一人が高峰秀子)で、その家に新しい女中(田中絹代)がやって来る。田中絹代が女中役というのが意外だった。

家では、うわべは華やかさを見せているが、実情は厳しいという裏表を描いている。どちらかといえば、裏側から描いた作品といってよい。
岡田茉莉子や杉村春子、宮口精二、加東大介、大村千吉なども出演しており、出演者を見ると豪華キャストである。

作品を観ると、成瀬監督の抑制された演出により、高峰秀子の芸者置屋に反対する意志の固い女性、田中絹代の家族ではないがいつの間にか中心的存在となっている女性、杉村春子のどこか打算的な女性など、出演者それぞれの個性を滲み出させた秀作となっている。
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