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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記のoqmrのレビュー・感想・評価

4.0
始まった瞬間の『ブランデンブルグ協奏曲』で映画世界に引き込まれることは間違えない本作はJ.S.バッハの2番目の妻であり、『アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア小曲集』で有名なバッハ夫人による正確な表のようなバッハの年代記といった印象か。彼女の日記が本人によって朗読され、その時期にバッハが作曲した作品の演奏風景が映され、またアンナの日記に戻るの繰り返しであるこの映画の進行の異常な単調さがバッハの音楽自体を意識した様式なのかちがうのか。これはストローブ=ユイレのほとんどの映画のスタイルなのか他の作品をみたことがないからわからない。
ナレーションの次に資料映像を持って来るというドキュメンタリーお決まりのスタイルを徹底して緩急をつけずに継続しつづけるなかに非常に印象的なシーンがいくつかあり息を呑む美しさに驚いた。一流の音楽家が当時着用されていた衣服を身に纏い、当時の楽器を演奏するのを鑑賞する、これだけでも有難い体験である。単純にバッハの生涯を知るだけでもね。
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