ユナマリア

お茶漬の味のユナマリアのレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
4.0
小津安二郎監督作品の名作のひとつ。

夫婦のあるべき姿を日常の会話、行動から見事に描いている傑作。

佐竹茂吉の妻である妙子は、影で「鈍感さん」と呼ぶ夫にお忍びで、友人のアヤと共に温泉旅行に行こうと計画する。

一度は姪の節子によって失敗に終わるが、改めて計画を実行し、4人で旅行に出掛ける。

そんな中、節子のお見合いが決まるのだが、これをきっかけに佐竹夫妻の間に大きな溝が出来てしまい、妙子は家出をしてしまうのである…

さすが小津安二郎としか言えない絶妙な演出と構成、芝居、そしてテーマだった。

今で言う女子会の華やかなところから動き始める訳だが、そこから不安な様子がじわじわと出て来て、妙子の家出で一気にヒートアップ。

そして、タイトルのように収束して行く様子が素晴らしかった。

決して派手さは無いが、頭と心にしっかりと刻まれる名作である。
ユナマリア

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