浜一

お茶漬の味の浜一のレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
3.7
★ヴェンダースの新作が公開中なのもあってか、ヴェンダースの心の師、小津安二郎についての解説動画がYouTubeのお勧めに幾つか上がってきて視聴。大変興味深く見た。そして、黒澤明作品は殆ど鑑賞しているのに、小津作品は「東京物語」と「晩春」しか観ていない事に改めて気付き、アマプラ見放題のこの映画から鑑賞した次第。
★物事に対する価値観が違いすぎて、端から見ると何でこの2人が夫婦?と思ってしまう夫婦がいたりするが。妙子と茂吉もそんな夫婦に見える。しかし、友人に夫婦関係について問い詰められた後に何か思い詰めた表情の妙子は、自分自身でも整理できていない夫への感情があったのではないかな?と思った。互いに違いすぎる価値観ですれ違うが、他人に計り知れない何か魅力を互いに感じているからこそ2人でいられるのかな?と。妙子の中のモヤモヤがストンと落ちて素直になった先に、あのお茶漬けの夜があったのだと思った。
★妙子みたいな嫁さんは自分は嫌だ。うちは趣味嗜好が似ているので、サッカー観戦も映画鑑賞もとやかく言われず楽である。あ、観る映画はちと違うが。先日も自分が「ゴジラ-1.0/-C」を観ている間に、妻は東野圭吾原作の映画を観ていた。
★笠智衆が老人役でない姿を初めて観た。「東京物語」、「晩春」、黒澤明の映画、寅さんの御前様。ずっとお爺さんだった彼の年相応の姿が新鮮だった。
浜一

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