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お茶漬の味のtaroumanのレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
3.0
角川シネマ新宿 小津4K

佐分利信と鶴田浩二という日本の首領クラスが出演しているが、そんなことはまったく意識させないいつもの小津調。
ただ小暮様だけは、お景ちゃんなど小津ファミリーの能面的というか絵画的な女優陣に比べるとどうもぬるっとした感情が滲み出て、いつもの小津のセリフも生々しい。浮草の京マチ子も同じ立ち位置かもしらんが、あちらは全体が動的で小津的要素が希薄なせいかあまり違和感を感じない。
印象的なのは女優4人の旅館のシーン。これぞ小津といった美しさ。一方台所のシーンは個人的には馴染めない。日本の首領もいそいそと女房の着物の袖を持つ。飛行機が戻ってきて目出度し目出度しの展開だが少しばかりシナリオが安直ではないか。
本作でも突然カメラが動き出す。はたしてあれはどういう意図か。謎のカメラワーク。
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