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ノーマ・レイのtigerpantsのレビュー・感想・評価

ノーマ・レイ(1979年製作の映画)
3.8
これまた国立映画アーカイブのAFA特集で鑑賞。

アメリカ南部の紡績工場で働くシングルマザーのノーマ・レイ(サリー・フィールド)。身持ちの悪い自堕落な暮らしを送っていた彼女は、NYからやって来た組合活動家に触発され、低賃金で過酷な労働を強いる工場に労働組合を作ろうと奔走するのだが……

経営幹部の妨害工作や従業員同士の軋轢、黒人やユダヤ人へのレイシズムなど、小ネタがふんだんに盛り込まれていて飽きない。

何よりも主演のサリー・フィールドが……適度にエロく、適度にくたびれて、しかも自己主張は忘れない……従来のハリウッド映画のヒロイン像に収まらぬ、人間臭い人物造形だった点にも好感が持てた(第52回アカデミー賞・主演女優賞)

現代のアメリカ映画を見慣れてしまうと、この時代のこのような作品のテンポや編集がかったるく思えてしまうかもしれないが、逆にこの「テンポや編集」から見えてくる風景もあるでしょ? という感じ。

余談ながら、先日の「西武・そごう」従業員のストライキ報道や、SNS等でのその反響などを垣間見ていると、日本では労働争議なんてすっかり過去の価値観になってしまったのかもしれない。綺麗事だけど「万国の労働者よ、連帯せよ!」と。
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