SUKEZO

バーディのSUKEZOのレビュー・感想・評価

バーディ(1984年製作の映画)
3.6
再視聴。
ニコラス・ケイジが髪ふっさふさの頃。

ベトナム戦争で精神を病んだバーディの治療として旧友のアルが病院長に呼ばれてやってくる。アルはバーディのためだと思っていたが院長はアルのためでもあると言う。
精神病棟内では、もはや誰が病人で誰が正気だかわからなくなる。
そんな現状のなかでアルは二人の青春時代を思い出しながらバーディに話しかける。

明るく楽しい青春時代とベトナム帰還後の二人の絶望的な状況が交互に映し出され、その落差がより悲壮感を漂わせる。
しかし、悲しい物語ではない。
まだ若い二人の主人公に希望が持たされた爽やかな青春映画である。
バーディの変態度が高いので評価は微妙にしておく。


……
ニコラス・ケイジはアルの役のために歯を両脇から二本ずつ(四本⁉)抜いたという。コッポラの名前を捨てたこの頃のニコラスの本気が窺える。

まだドローンとか無い時代、スカイカムというカメラ技術で撮影した鳥目線の飛行映像が素晴らしい。

この作品は元小説があるらしいが、私は大江健三郎氏の「鳥」という短編小説を思い出す。特にラストのあの終わり方。方向性は全く違うが。
まだ読んだことが無い方は是非読んでみて欲しい。
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