Nao

ダンサー・イン・ザ・ダークのNaoのレビュー・感想・評価

4.0
日本での上映権利が切れてしまうそうで、最後の劇場上映ということなので。

ラース・フォン・トリアー監督、ビョーク主演。
チェコからアメリカへ移住してきたセルマ(ビョーク)は、
親友キャシー(カトリーヌ・ドヌーブ)や
隣人のビル夫妻、セルマに想いをよせるジェフなど、優しい人々に支えられながら
一人息子を女手一人で育てている。
彼女には、周囲に秘密にしているが、
視力が徐々に失われていく目の病気があり、
息子にも遺伝しており、
13歳になったら息子に手術を受けさせようと、必死に節約をし、工場や内職を掛け持ちして働いている。ようやく手術代が貯まろうとしていた矢先、ある出来事が起こってしまう。

ラース・フォン・トリアーの別作品を観て苦手意識があったので、悩んで悩んであらすじを頭に入れて口コミ読み込んでいったけれど、
後半、とくにラストは嗚咽に近い号泣で鑑賞。
パンフレットも購入。
どこまでも重く苦しいけれど、
監督が熱烈コールしたというビョークは
どこを観ているかわからない不思議な瞳が役にぴったりで、
もうビョークじゃなくてセルマその人でした。
自然光で、監督自らも撮影したというドキュメンタリーのような現実シーンと、
何台ものカメラで撮影した空想(ミュージカル)シーンという見せ方、
ビョークがセルマ役を受ける前に制作した楽曲たちといい、劇場で観るべき本当に素晴らしい映画でした。強烈で衝撃的で、忘れられない一本。

ちなみになんでクレジットがスウェーデン?と思ったら、監督が飛行機恐怖症で乗れないからアメリカに見える場所で撮影したんだとか。
Nao

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