Kです

ダンサー・イン・ザ・ダークのKですのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

まず、言うならばとても辛い映画だった。

この作品の存在は「鬱映画」としての認識で把握していた。

何かドキュメンタリー風の映像にみえるがところどころ歌って踊る演出がある。ミュージカル映画となっている。

主人公のセルマは目の病気を持っている。いづれは失明すると本人は言う。目の病気は家系の遺伝で、自身の息子であるジーンにもその影響があった。

いづれは息子も同じ目の障害を持つことは分かっていた。それは元々自分の責任であるとセルマは工場で働き、目の手術費用となるお金を貯金していた。息子のジーンの為だけに。
そのお金を狙われ奪われたわけだ。人を殺す。

セルマはとにかく歌って踊ることが好きだ。身近な音を深く感じ空想に耽る。憧れのミュージカルの舞台を想いながら。彼女は彼女なりの生きる喜びがあった。人柄はよく、純粋で、しかし不器用なところがある。

周囲の人間たちから快く思われていたかどうかはわからない。
僕が感じたのは彼女は目の障害以上に人間性の美しさがあった。

優しいだけじゃ駄目なんだ。上手くいかない。優しい人止まりだ!なんて悩んだ昔の僕を思い出すような気もした。

彼女の不遇な人生全てがわかる。僕は彼女の人間性が好きだ、嫌いじゃない。世渡りの得意不得意なんてもの教えたって彼女にとっては同じだろう。
Kです

Kです