なぺ

ダンサー・イン・ザ・ダークのなぺのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

声を出して目が腫れるほど泣いた。
見たら後悔するけど、見ないとその何倍も後悔する映画。

2時間ちょいだったけど、最初の1時間が倍に感じるほど重かった。いや、ずっと重いんだけど。
ジーンに病気のことを打ち明けるんだとばかり思っていた私が馬鹿だった、、、。
厳しい母親でいなければならなかった、ジーンがいたからあれほどの金額を貯めることが出来て、ジーンがいたから、強い自分を持っていられたんだろうな。
"赤ちゃんを抱きたかったの"とそれだけの理由みたいなニュアンスで言ってたけれど、本当にジーンを愛していて、ジーンがなによりもミュージカルよりも生きがいだったのだと思います。

ただ貯金をしていると打ち明けたのがミスでしたね。秘密にしては「金がないんだ」と言ってる奴に「貯金してるんだ」はちょっとなあ、、。
いや盗まれると思ってたけどね、まさかあそこまでクズ男だとは思わないじゃないですか。
障害を利用したのも、秘密を利用したのも全部ビル。
セルマは障害を隠し続けていたし、自分が疑われているのに秘密を守り続けた。もう言っていいよ!!言えよ!!って心の中で叫びながら観てました。
ビルの奥さんの気持ちもわかるけど、アメリカの裁判って本当に厳しいのね。
死刑判決が出た時に喉がヒュッて鳴った。

ミュージカルが唯一の救いだったけれど、工場をクビになったあたりかな…その辺から徐々に、空想にも暗い部分があって。
しかも全編鬱シーンだからミュージカルが終わるとどん底に落とされる。落差が激しすぎる、耳キーンなるわ。

ビルを殺した後だったかな?歌で「涙を流す時間を頂戴、蛇が脱皮する時間さえあれば…」なんて歌詞があったけれど、きっと刑務所にいる時間がそれになったんだろうな。
あと1週間で処刑というギリギリでやっと涙を流すシーンが見れた、人間味がちゃんとあってよかった。

最後(最後から二番目の歌か)の歌の時、ジーンの名前を呼んでるのを観て、思わず私も「ジーン…!」って言っちゃった。

フィクションなのは分かってるのに、感情移入しすぎて、軽い気持ちになれない、しばらく引きずりそう。
なぺ

なぺ